2012年 06月 04日
なんか辛い時ありますね。 今真っ只中って人も居るでしょうね。 恐ろしい夢を見た人がガバッと起き上がって 瞳孔開いちゃった感じの恐怖に満ちた目で 一点を見つめているシーンが映画やドラマでよくありますが 私もそういう経験をたった一度だけどしたことがあります。 夜中に目が覚めて体が震えて落ち着かない。 怖かったなぁ~ その夢と同じ光景をこの映画の中で見ました。 そしてアレンもほぼ私と同じ反応をしていました。 この映画公開当時そうとう叩かれていましたよね。 原作者のル=グウィンにもだめだしされたそうで。 でも私はとても良かったと思います。 それに好き嫌い以前にこんなに感情移入できた作品はこれ以外にありません。 アレンは私そのものだったのです。 自分自身という感覚が薄く いつも何かに怯えている。 でもそれが何なのか自分にはわからない。 どうすればその感覚が消えるのか。 ずっとこのまま実感を持たずに生きていかなければならないのか。 その途方も無い辛さを考えたら 生きていくのは気が遠くなりそうなほど果てしない道のりに思え 気力を失ってしまうのです。 テルーが夕方の草原で歌っている時に流すアレンの涙と クモの屋敷でゲドを刺してしまったときのアレンの涙の理由が 痛いほど手に取るようにわかりました。 なぜ泣いているのか。 そしてアレンが何に怯え逃げようとしているかも。 考えてみればこれは思春期に 程度の差こそあれ誰にでもあることなのですね。 大人になった今では微笑ましくさえありますか 渦中の本人にとっては相当に辛いのです。 特にアレンは重症です。 映画は時間に限りがあるので 開眼したアレンは一気に殻を破って開放され 二つの自分は統合します。 でも実際はそれほど簡単ではありません。 この映画を見たとき 吾朗監督もきっとこんな夢を見たことがあるんじゃないかと思いました。 というより絶対見たことあるな…と勝手に確信してました。 もしそうなら自分でも理解しがたい自分の感覚を ここまで見ている私に正確に伝えられる新人監督って何者??? ということになります。 (私の想像が概ね合ってるとすればですが…) もし今何かで辛くて将来に希望が見出せない人が居ても どうか諦めないでほしいと思います。 あの時の私もかなり重症だったし その時『自分を信じて』といわれても 何のことかわからなかったと思いますが そうなっているということは『信じても良い自分を持っている』事に他ならないのです。 そして本当の意味で自由になるための必須の通過点であるからです。 以上の内容により非常に非常に大好きです。この作品。
by yukimi4141
| 2012-06-04 23:59
| 映画
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